小笠原流「流鏑馬」ワークショップ
流鏑馬のワークショップを、
少しだけご紹介いたします。
今回はNPO法人七五の理事長・近衞忠大が、
小笠原流・弓馬術礼法小笠原教場にお伺いし、
体験させていただきました。
小笠原:お相撲さんのハッケヨイノコッタの形をとって下さい。手を付けるくらいで。もうちょっとお尻あげて下さい。
この位置そのままにして、体を起きあがらせて下さい。もっともっと。もっと上まで。ずーっと。胸が前を向く位まで。
近衞:はい。
小笠原:膝もしっかり開いてください。この時に、立ったり座ったりする時の筋肉をよく使うんですよね。流鏑馬の本番に出る方は、今やっていただいた動作を、50回位はやります。
近衞:50回も(笑)。
小笠原:常に体重がしっかり踵に乗っていることが重要です。つま先に体重がかかってしまうと、膝を痛めてしまうんです。
近衞:ああなるほど。
小笠原:なのでしっかりと踵に常に体重を乗せてください。
近衞:はい。
小笠原:手をひっくり返してください。このひっくり返すということがまた重要です。ひっくり返してあげてくと、二の腕が張ってくるじゃないですか。
これ、弓を引く時と一緒ですね。なので、馬の上ですけど、実際には弓を引く姿勢なんですよね。腰を上げないで、膝を開いて。
近衞:これ、50回はなかなか大変ですね。
小笠原:そうですね(笑)。「武士の学校」では50回もやらないので、安心してください。まずはこういう動きをしてから、木馬に乗ってみましょうということになります。
では、木馬に乗ってみましょうか。
小笠原:ヨーロッパのサーベルって、垂れ下げてるじゃないですか。日本の刀って真横にこうぼんっと付けるんですね。なので、右側から馬に乗ると、ぶつかって乗れない。
近衞:なるほど。
小笠原:ですので、左側から乗ります。では、自転車に乗る感じで。右足からかけていただいて。
近衞:はい。
小笠原:一旦鎧から足を外していただいて。それでは、足伸ばしていただいていいですか?くるぶしはここ。
では、踵を、後ろと横半分ずつ出してください。
左側も大丈夫ですか?
では、足を開いてください。
先ほど、下でした姿勢を、木馬の上でもやってみたいと思います。
お尻をちょっと浮かせますね。
小笠原:そんなイメージです。では、やってみましょう。
手を下に下げて、ずーっと上げます。踵だけが木馬に触れていれば、馬が揺れても狙いが変わらない。そういう考えです。
近衞:実際弓を射るときも、鎧から足を少し外してということになりますか?
小笠原:はい、そうです。
近衞:え!?なんと!!
小笠原:馬の速い、遅いで、その踏み具合を変えたりしています。
近衞:なるほど。
小笠原:どうしても入れたくなりますね。でも、入れてしまうと、この道具を最大限活用できなくなっちゃうんですよ。
近衞:なるほど。
小笠原:では、馬の上から引いていただけますか?
近衞:確かに、膝開いた方が安定しますね。
小笠原:そうですね。やはり相手を倒さないといけないので、大きな力を出したいんですよね。さっきと同じで、踵、膝を開いて、お尻を浮かせます。今つま先にすごい体重がかかっていますよね。
近衞:確かにかかってますね。
小笠原:常に踵にかけてあげる。なので半分出してください。踵で何かを押しつぶすというイメージで。
近衞:なるほど。めちゃめちゃ痛いんですけど、つま先が(笑)。
小笠原:それは、靴の文化だからですね。
近衞:もっとこう足を広げないといけないのかな。
あ、でもこれで立つと当たらなくなりますね。
小笠原:はい。今、的の位置が低いので、的の少し上を狙ってみてください。手を上げて、右手を大きく横に開きます。
小笠原:そうですそうです。そんなイメージです。無難にいくと結構当たらないんですよ。思い切り射って、どーんていくと、結構当たるんです。
近衞:いやいや。何気にふくらはぎがパンパンです。
はは(笑)。
小笠原:ははは(笑)。
近衞:ありがとうございました。